歯の質問箱

虫歯について

このFAQは現在の歯科の常識の範囲で述べていますが、個々の歯科医で若干の意見の相違が生じる場合があります。実際の受診にあたっては歯科医と相談下さい。

  1. 虫歯はどのようにして出来るのですか?
  2. 虫歯の出来やすい場所を教えて下さい?
  3. どうしたら虫歯を妨げますか?
  4. 歯の汚れとは?
  5. プラークとは?
  6. なぜ甘い物が虫歯の原因になるのですか。
  7. 砂糖は絶対いけないものですか?
  8. 虫歯はどのように進行していきますか?
  9. 虫歯になるとどんな症状がおきますか?
  10. 虫歯の治療法を教えて下さい。
  11. ラミネートベニアとは?
  12. 虫歯になりやすい年齢は?
  13. なぜ2歳頃に多いのですか?
  14. 幼児の虫歯予防のポイントは?
  15. 永久歯の虫歯予防のポイントは?
  16. フッ素とは?
  17. フッ素は人体に必要ですか?
  18. 虫歯予防に充分な量のフッ素を食品から摂取できますか?
  19. フッ素の虫歯予防効果を説明して下さい。
  20. フッ素の効果的な使用法を教えて下さい。
  21. フッ素を使えば歯を磨かなくてもいいですか?
  22. フッ素を効果的に効かせるにはどうしたらいいですか?
  23. 塗ると歯が黒くなるフッ素があると聞きましたが?
  24. フッ素は危険なのですか?
  25. 赤ん坊にも虫歯ができますか?
  26. まだ歯が生えていない赤ん坊の口をきれいにする必要がありますか?
  27. 子供が何歳になったら歯科医に診てもらうために連れて行くべきですか?
  28. 虫歯は小さな子供だけの物ですか?
  29. 何故歯ブラシをするのでしょう?
  30. 歯磨きはどれくらい虫歯の予防に役立つのですか?
  31. 歯を磨いても虫歯になりますか?
  32. 歯ブラシの選び方は?
  33. 歯ブラシの毛は堅い方が良いのですか?
  34. 歯ブラシの歴史を教えて下さい。
  35. 歯磨剤(歯磨き粉)の歴史を教えて下さい。
  36. 歯磨き粉の成分を教えて下さい。
  37. 歯と歯の間を特に清潔にしなければいけないと指導されました。その理由は?
  38. 歯と歯の間はどのようににきれいにしますか?
  39. 爪楊枝を使ってもいいですか?
  40. 歯ブラシの方法が不適当ならばどんな障害が起こりますか?
  41. どれぐらいの間隔で歯ブラシを換えるべきですか?
  42. キシリトールとは?
  43. キシリトールの効果的な摂取方法は?
  44. キシリトールの効用は?
  45. キシリトールがう蝕を抑制するメカニズムは?
  46. キシリトールはどんな物に応用されていますか?
  47. キシリトールさえ使用すれば虫歯を防げるのですか?
  48. キシリトール使用の注意点は?
  49. フィッシャーシーラントとはどのようなものですか?

  1. 虫歯はどのようにして出来るのですか?
    1. 歯の条件(質、形、歯並びなど)
    2. 細菌(虫歯に関与する微生物)
    3. 食品(微生物の栄養源になりやすい砂糖など)
    4. 時間(微生物が活動して歯を溶かす時間)

    上記の四つの条件が関わり合って発生します。 つまり予防はこれらの要件をなくすようにすればよいのです。

    (1) 歯の条件
    →今のところ生えている歯を、確実に歯を強化 出来るのは、フッ素しかありません。歯の形などは遺伝的なものも大きく関わっています ので個人差がありますが虫歯のなり易さを診断してもらって磨き方を工夫することが出来ます。歯並びも歯列矯正などが必要なこともあります。きれいに並び替えることもできますのでまずは 相談してみて下さい。
     
    →生える前の歯、特に乳歯は妊娠中に作られます。妊娠されている方は体調を整え、栄養バランスの良い食生活をして下さい。
    (2) 細 菌
    →口の中にはたくさんの細菌がいます。虫歯の原因菌は出産の時に感染し、さらに周囲の 人から感染していきます。増やさないためには食事と歯磨きで歯から洗い流しましょう。
    (3) 食 品
    →砂糖類を多く食べると虫歯の原因菌がふえて虫歯 になりやすくなります。糖質は発育に必要で生体にとってエネルギー源ですが、糖分の補給と味覚は別のものです。バランスのとれた食事で充分に糖質は補えます。
    (4) 時 間
    →虫歯菌が食べかすを分解し酸を作り、歯を溶かすのです。歯に食べかすがついている時間を出来るだけ短くするように心がけましょう。

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  2. 虫歯の出来やすい場所を教えて下さい?
    • 歯のかみ合わせの凸凹したところ
    • 歯と歯の間
    • 歯と歯肉との境の部分

    この3カ所を称して三大不潔域といい虫歯が特に出来やすい場所です。ここを重点的に清掃してきれいにすべきです。

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  3. どうしたら虫歯を妨げますか?
  4. 現在行われているう蝕予防の対策は詳しく言いますと以下のようですが

    • 洗口
    • ブラッシング
    • フロッシング
    • その他の清掃法(歯間ブラシ等)
    • フッ素応用
    • 甘味制限(糖類の質、量、頻度の制限、代用糖の開発)
    • 主・間食指導
    • 健康教育
    • フィッシャーシーラントの応用(歯科医院で噛み合わせの部分を合成樹脂でシールする)
    • 歯科医、歯科衛生士による口腔清掃

    特に大事なことは

    • フッ化物配合歯磨剤で1日2度きれいに歯をみがいてください。
    • 毎日デンタルフロスで歯を掃除するか、歯間ブラシを使ってください。
    • 栄養になる、そしてバランスがとれた食事を食べ、間食を制限してください。
    • 歯を強くする為のフッ化物の使用
    • フィッシャーシーラントの応用(歯科医院で噛み合わせの部分を合成樹脂でシールする)

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  5. 歯の汚れとは?
  6. 歯の着色もありますが、ここではプラークの付着や、歯石の沈着を いいます。

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  7. プラークとは?
  8. 歯垢(しこう)のことです。歯の表面は食べ物の残りカスや唾液で皮膜が出来やすくなっています。そこに細菌が繁殖し、粘着性の状態になります。

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  9. なぜ甘い物が虫歯になるのですか。
  10. 虫歯は歯が脱灰されることから始まります。その原因は酸を作り出す菌が、歯に付着する事から起こります。その細菌の栄養源が糖類なのです。甘い物がその菌を繁殖させる要素 になってしまうからです。

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  11. 砂糖は絶対いけないものですか?
  12. 砂糖は虫歯の大きな原因ですが、適度なものは必要なものだと 思います。問題はその摂取の方法にあるのです。飴やガムなど口の中に長くとどまる食べ方では虫歯は多くなりますが、同量の砂糖をふくんだ食事では増えにくいと言われています。虫歯の発生しやすさは、食べる時間や食品の形や質が大きく関係して います。歯につきやすい粘着性のお菓子はさけるようにすると良いでしょう。

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  13. 虫歯はどのように進行していきますか?
  14. 虫歯がエナメル質にとどまっている時には痛みはありません。象牙質に達すると刺激が神経(歯髄)まで伝わって暖かいものや冷たいものや甘いものに対して様々な反応が起きてきます。歯髄の炎症がひどくなると痛みもひどくなります。放置すれば歯髄は死に根の中が腐りさらに根の外の骨まで腐ってきます。これらの変化は一見しただけでは判別は不可能です。外から見て何ともなくても歯髄がくさって根の外に膿がたまっていることもあります。進行の程度は歯科医が目で見(視診)、さわり(触診)レントゲン写真を撮り、患者さんの症状を聞いたりして総合的に診断します。

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  15. 虫歯になるとどんな症状がおきますか?
    • C1ではほとんど自覚症状はありません。溝が黒くなっている程度です。
    • C2でも自覚症状はほとんどないか水にしみる程度です。
    • C1、C2は検診で発見されることが多いようです。
    • C3、C4になりますと大きな穴があく場合が多く神経まで侵されている状態です。

    暖かいものがしみたり、何もしなくてもずきずきいたんだり、噛み合わせるときに痛んだりします。但し慢性化して痛まない場合もあります。

    参考)むし歯の進行度による分類

    • CO:シーオーと読みます。要観察歯
    • C1:エナメル質のみのう蝕
    • C2:象牙質まで達したう蝕で歯髄との間に一層の健全象牙質が存在するもの
    • C3:歯髄まで達した象牙質う蝕
    • C4:残根状態

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  16. 虫歯の治療法を教えて下さい。
  17. WHOによれば下記のようにまとめられています。

      初期の虫歯
    • 局所フッ化物療法によって再石灰化を図る。
    • 軽度の初期虫歯
    • シーラントをつめる。
    • もし必要なら最小限に虫歯を取り去り、予防効果がある材料で虫歯を治療する。
      中程度の虫歯
    • 健康な歯質を最大限に残して虫歯を治療する。
      深い虫歯
    • 健康な歯質を最大限に残して虫歯を治療する。
    • 必要に応じて神経の治療(歯内療法)を行う。

    虫歯の治療内容を具体的にいいますとまず患者さんの訴えを聞きます。
    痛いのか、腫れているか、しみるのか、全身の状態はどうかなどと詳しくお聞きします。その後口の中を診査します。見たりさわったりレントゲンを撮ったり等、必要に応じた診査をします。

    そして下された診断の結果により

    • 薬剤塗布
    • シーラント
    • インレー(金合金、銀合金等の詰め物)
    • コンポジットレジン(白い合成樹脂)
    • アマルガム(水銀、銀、錫等の合金)
    • グラスアイオノマーセメント(白い詰め物)
    • クラウン(金属や白いポーセレンで歯に被せる)

    等様々な種類の治療を行います。これらを虫歯の程度に応じて使い分けます。このように最近の虫歯の治療はできるだけ歯質を削らず、また歯髄(神経)を取らないで行う傾向にあります。

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  18. ラミネートベニアとは?
  19. ラミネートベニア法とは歯の表面をわずかに削って薄いポーセレンシェルを歯の表面に接着し歯の色を白くしたり隙間を改善する方法です。特に前歯に多く使われます。安全で美しく自然な感じに仕上がりますので適応するケースに応用すれば良い方法です。

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  20. 癒合歯(乳歯)の治療法を教えて下さい。
  21. 生えてきた癒合歯については、実生活で問題がなければ、治療の必要はなくそのまま放置します。2本の歯の癒合した部分の溝に食べカスがつきやすく、虫歯になりやすいので注意点して下さい。癒合歯は後継永久歯による歯根の吸収が遅れ、抜けるのが遅くなることが多いようです。そのため歯の交換時期には、後継永久歯の発育状態に応じて癒合歯を抜去しなければならない時があります。もっとも発生しやすいのは、乳歯では2歳代で永久歯では11~15歳位と言われています。(乳児期、幼児期、学童期~15才ぐらいまで)

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  22. なぜ2歳頃に多いのですか?
  23. 幼児の場合では、幼稚園などに行っている場合と、行かない場合では園児の方が少なく、祖父母などが、同居か近所に住んでいる場合や、はみがきを習慣にしていない家庭で虫歯が多いようです。また歯の虫歯に対する感受性が歯が生え始めてから1~2年の間が最も高いためです。

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  24. 幼児の虫歯予防のポイントは
    1. バランスのとれた食事で丈夫な歯の質をつくる。
    2. 年齢、体重に合わせた砂糖分の制限をする。
    3. 正しい歯磨きの習慣をつくる。

    これらを実行できるかどうかにかかっています。

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  25. 永久歯の虫歯予防のポイントは?
  26. これも生活環境が大きく関与しています。親が仕上げ磨きをしていた時期も終わり、本人の管理になります。個人差も大きいのですが、何を食べ、いつ、どのように歯磨きをすればよいのかをポイントを押さえて、理解させるようにして下さい。

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  27. フッ素とは?
  28. 自然界の何処にでも、ごく普通にある元素です。空気中や土壌中、河川や湖、海水中などで海水中が一番多く含まれています。

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  29. フッ素は人体に必要ですか?
  30. 人体を構成する微量元素の一つと考えられています。フッ素がないとどうなるかという動物実験は、フッ素があまりにも何処にでもあるために実際には出来ません。それくらい身近なものなのです。

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  31. 虫歯予防に充分な量のフッ素を食品から摂取できますか?
  32. 普段の食生活で食べるものに含まれ、特に海草、魚介類に多く含まれており、水やお茶からも取り入れています。日本人は成人で1日に、0.48~2.6mgのフッ素を摂っていると言われています。しかし、虫歯予防のためにはこれではまったく足りません。

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  33. フッ素の虫歯予防効果を説明して下さい。
  34. 歯の表面にはフッ素が多く含まれています。虫歯になった歯のエナメル質の中のフッ素はなっていない歯に比べ少ないのです。そしてフッ素を作用させると虫歯を防ぐことが分かっています。
    フッ素は、歯のカルシウム成分のハイドロオキシアパタイトに作用 して、フルオロアパタイトという虫歯菌に抵抗する強い性質い変えるのです。

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  35. フッ素の効果的な使用法を教えて下さい。
  36. 歯はカルシウムを主成分に出来ています。フッ素はそのカルシウムに作用して、フッ化カルシウムという虫歯の原因になる酸に強いカルシウムに変わります。生えてきたばかりの歯ほどよくフッ素をよく取り込まれます。理想的には歯の生え始めから塗り始め、定期的に3~4ヶ月に一度ずつ 五歳頃まで、永久歯が生え始めたらまた塗り始めて12~13歳頃まで行うと良いでしょう。

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  37. フッ素を使えば歯を磨かなくてもいいですか?
  38. フッ素は虫歯の完全な特効薬ではありません。歯の質の強化はフッ素塗布が一番効果的ですが、日頃の手入れと 定期的な塗布をしなければ効果は期待できません。

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  39. フッ素を効果的に効かせるにはどうしたらいいですか?
  40. 歯の磨き方、おやつなど食べ物の問題、さらに定期的な検診など家庭 だけでなく歯科との連携が必要でしょう。 定期検診をしてくれる所で予防管理をしてもらいましょう。

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  41. 塗ると歯が黒くなるフッ素があると聞きましたが?
  42. 歯科では使用するものに虫歯予防のフッ素だけではなく、治療のための進行抑制剤があります。
    「フッ化ジアミン銀」という名の進行止めで、黒くならないと意味が なく、健康な部分は黒くならずに虫歯の部分だけに作用するものです。タンパク質を固める作用があり、虫歯の進行をある程度遅らせてくれます。

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  43. フッ素は危険なのですか?
  44. アメリカ歯科医師会編のFluoride and Fluoridation
    http://www.ada.org/public/topics/fluoride/fluoride.phpに詳しく書かれていますが多くの科学的文献がフッ素応用は安全な方法との根拠を提供しています。

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  45. 赤ん坊にも虫歯ができますか?
  46. 歯が萌出するとすぐに、虫歯になってしまうことがあります。 幼い子供たちの虫歯の原因の一つに1つは、ほ乳瓶です。 幼児が昼寝の間に、あるいは夜間に砂糖水あるいは果物ジュースをほ乳瓶で連続的に授乳すれば虫歯が出来てしまいます。 もしこれらの液体が睡眠の間に子供の歯の周りにたまるなら、歯の周囲に長い間、酸が存在することになりその結果として虫歯になります。乳歯の上の前歯に特徴的に見られます。

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  47. まだ歯が生えていない赤ん坊の口をきれいにする必要がありますか?
  48. 出生の後しばらくしてから赤ん坊の口をきれいにし始めてください。 すべての食事の後に食片を取り去るための湿ったタオルあるいはガーゼパッドで赤ん坊の歯ぐきをふいてください。 このことにより早い年齢において口腔の衛生についての重要性が解るようになります。

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  49. 子供が何歳になったら歯科医に診てもらうために連れて行くべきですか?
  50. 最初の誕生日までに歯科医に検診してもらうのが理想です。 もしあなたがこのような早い時期に子供を歯科医に連れていけばの子供が口腔に関する良い習慣が作りやすくなります。武蔵野市では一才六ヶ月検診を行っております。

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  51. 虫歯は小さな子供だけの物ですか?
  52. 大人にも当然虫歯は起こってきます。原則的には子供の時と同じですが、子供と違ったところから起こりやすいことも特徴です。加齢に伴う歯肉の後退は、構造的に弱い歯の根が露出する事になります。 大多数の年齢50以上の人々がこの部分に問題を持っています。詰め物の端や歯が一部分欠けたところから虫歯が大きくなっていくこともかなりの割合で起こります。

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  53. 何故歯ブラシをするのでしょうか?
    • 虫歯、を予防するため
    • 歯垢除去、沈着予防
    • 殺菌
    • 健康な歯肉を得るため(歯槽膿漏、歯肉炎の予防、治療)
    • 歯肉マッサージ
    • 歯垢、歯石沈着予防
    • 殺菌
    • その他
    • 口臭をなくすため
    • 知覚過敏をなくすため、予防するため
    • 爽快感
    • 歯を白くするため
    • 歯肉からの出血防止

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  54. 歯磨きはどれくらい虫歯の予防に役立つのですか?
  55. 虫歯をつくる菌は口の中に常に存在していて、食事の食べカスに まざり、自らネバネバした物質を作り出しています。チャンスがあれば歯に付着して仲間を増やそうとしています。歯磨きは単純な操作ですが、物理的に歯面をきれいにすることが 虫歯予防に一番大切です。

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  56. 歯を磨いていても虫歯になりますか?
  57. 歯ブラシの回数や時間と、虫歯は必ずしも一致しません。どれだけ多くみがいても、汚れがとれていなければ意味がありません。磨き残しがあるのではないでしょうか。一度歯科医院で歯ブラシの仕方を,チェックして見てもらうと 良いでしょう。

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  58. 歯ブラシの選び方は?
  59. 色々な形の物が市販されていますが、形が特殊な物はある部分は磨きやすくても、他の部分が磨きにくい事が多いので、一度今お使いのブラシを歯科医院に持参して個人のお口の状態に合った物を見てもらうと良いでしょう。自分で探す場合はブラシの部分が少し小さめの物で、ハンドルのまっすぐな物が動かしやすく、奥まで届き磨き残しが少なくできるでしょう。

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  60. 歯ブラシの毛は堅い方が良いのですか?
  61. 硬さはだいたい、かため、ふつう、やわらかめ、の3種類ですが磨いた気になりやすいかためを選ぶ方もいらっしゃいますが、強い力で磨いていて歯の根の部分が削れてしまっている患者さんを多く見られることを考えると、今使っている物より一つ柔らかい物を選ぶと良いでしょう。
    磨き方も個人の癖が出やすいので、歯科医院で一度指導を受けてみましょう。

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  62. 歯ブラシの歴史を教えて下さい。
  63. 古代イタリー、ローマや中国には小楊枝(またはツマヨウジ)と思われる物が出土品の内に見いだされている。
    はじめは乳香樹などが、のちには金、銀、ブロンズ、象牙質などになり、16、7世紀には真珠や宝石をちりばめたものが用いられ、一種の化粧、装飾品として扱われていたらしい。へブライ人はその中世紀の初期にケゼムquesemという木片をもって爪楊枝のように歯間に挿入し、この木片を噛んで浄歯に利用したということである。
    わが国では古代から口漱ぎ、歯磨を使ったことは知られているが、歯ブラシ類似のものを使ったらしいことが推定されているにすぎない。史実によれは、日本に歯ブラシの渡来したのは古代インドに端を発し、仏教とともに中国を経て伝わったものらしい。楊枝浄水ということが経文にも多く、歯木を、噛むことが当時の風習であった。歯木は梵語でダンタカーシュタdantakasthaといい、ダンタは歯、カーシュタは木片の意であるが、これは歯垢dantamalaを除去するに使う小さい木片で、この頭端をかみくだいて歯を浄めるのである。
    これがいつ日本に渡来したかはわからないが、おそらく平安時代に行われた密教の潅頂式にある楊枝の儀式が民間に伝わったものらしく、楊枝はカワヤナギを原料としたものだという。 インドではSUSRUTAスシュルタ(B.C.600~500、釈迦と同時代)の著わしたスシュルタ本典の24章に“人は朝早くおき歯楊枝を使わねばならぬ”と教えていたことからも、いかに歯の清浄を重要視したかがわかるだろう。
    道元禅師が宋に渡ったのは西暦1223年で、宋の如浄禅師が道元禅師が楊枝を使うのをみて感心したという。「あしたに楊枝をかむ、まさに願わくは衆生とともに調伏の牙を得て、もろもろの煩悩をかまんことを」という文を誦しおわって、楊枝をかむことが「正法眼蔵」の洗面の巻に出ている。
    目歯を清浄にすることは宗教的儀式の上に大切に扱われたことがわかる。
    近世にいたって、フランスのフオーシャールPIERRE FAUCHARD(1589~1656、近代歯学の鼻祖といわれている)は、洗口剤を海綿に浸して、歯と歯肉を摩擦することを推賞し、質の粗い馬毛の歯ブラシや亜麻布の木片で歯を磨くことは歯質を損じ歯のためによくない、と説いている。
    現在使われているような歯ブラシが、いつごろからできたものかはよくわからないが、MCCAULEY(1946)によれば、これに似たものは英国人ADDlS、W.(1780)によってつくられたものらしい。これは骨の把柄の頭部に穴があり、自然毛を植えて針金でとめたものだというから、現在の歯ブラシ製造工程の初期のものと考えてよいように思われる。
    その後、1840年にはイギリスのほかフランス、ドイツにも製造され、19世紀後半に至って日本やアメリカでもつくられるようになった。アメリカ製歯ブラシの最初のパテントはH.N.WADSWORTH(1857)が得たという。もっとも刷毛bristlesを有する歯ブラシが使われたのは、HIRSCHFELDによれば1640年に英国王朝ハノヴァ選帝侯夫人の伝記の中に、そのことが記載されているのが最初らしいが、いまでは、はっきりわかっていない。
    1810年にロンドンのJOHN FULLERは現在の歯ブラシの知識の基本となるような論文を発表し、“歯に堆積する汚物を除去するためには刷毛は硬いものがよく、密植はよくない。弾性も大切で、歯面に合致するものでなければいけない。また、乱暴な使い方をしてはいけない”など、かなり行き届いた注意が払われている。
    1814年にはBENJAMIN JAMESが、FULLERと同じような意見を発表し、“朝よりも晩みがく方がよい、軟組織を傷つけない程度の硬い毛がよい。”などと説いている。
    L.S.PARMLY(1818)は塗蝋絹糸floss silkを使うことを推賞し、各家庭に歯牙清掃用具の箱をつくり、歯鏡とともに歯ブラシ用具やフロスシルクを備えるように注意を与えている。
    J.SNELL(1832)は4つの特殊型の歯ブラシすなわち唇面、舌面、咬合面、隣接面を清掃しうるものを案出している。
    そしてフランスのF。MAURY(1841)がこれらの暗示を得ていわゆる近代的形態の歯ブラシを創案したものらしい。
    このように、約150年前から、いろいろの過程をへて今日見るような形態の歯ブラシが基礎づけられたものと思われる。すなわち歯ブラシははじめ木片を噛むことに起こり、小楊枝、楊枝の形となり、さらに馬毛、豚毛そのの自然毛を植えて使うようになり、その形も歯の清掃に都合のよいように工夫されてきた訳である。それが1939年ごろから米国で人工毛を使うようになり、これが現在かなり世界各国にゆきわたるようになった。1944年に米国で、約1850万本の生産高であったというが、2歳以上60歳以下の米国人が年2本の歯ブラシを使うには、2億本を生産しなければならないということであった。
    戦前日本は歯ブラシ生産大国でKAUFFMANNによれば米国の歯ブラシ輸入先としては戦前は世界第1位を占めていた。

    (岡本清纓)新口腔衛生学より

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  64. 歯磨剤(歯磨き粉)の歴史を教えて下さい。
  65. ギリシヤの哲学者アリストテレス(B.C.384~322)が、アレキサンダー大王のために書かれた「健康の書」 に「大王さま、御起床とともに手を洗い、口をそそぎ、眼と鼻の孔とを御掃除下さい。それがすんだら口をあらいタオルで歯をお磨き下さい。」とある。
    アッシリア人にも(B.C.700年頃)鼻腔と口腔を清潔にすることが教えられ、歯は指先でこすることの習慣があった。
    マホメットの教えにも「汝ら、心をこめて歯を磨け、そは神を崇むるの道なり」というのがあるそうである。
    トルコ人は現在でも胡桃の根をかんで酋を清掃しているが、かれらは中世紀を通じ、布に歯磨粉をつけて歯を磨く習慣をもっていたようである。
    歯磨は、古代エジプト(B.C.1550)Ebers Papyrusの中に粉歯磨、煉歯磨の処方がある。粉歯磨は緑青、緑粘土、乳香などを用い、煉歯磨にはこの他に蜜、燧石末などを加えている。
    ローマ帝政の初期(B.C.527)には鹿角、二十目鼠、野兎、狼などの頭部を焼いて得られた灰や、卵殻を焼いて粉末にしたもの、あるいは浮石末などで製造していた記録がみられる。
    わが国でも宗教行事と歯を磨くことが密接に結びついていたが、奈良朝時代から歯磨のようなものがあったらしいことは、同時代の頭蓋の歯牙の磨耗によって推定されている。
    歯磨そのものが文献にあらわれたのは、寛永時代の末期からで、丁字屋喜左衛門という商人が、当時来朝した朝鮮人から歯磨の製法を教えられたという。
    元禄時代になるとかなり商品化されてきたようであるが、明治に入ってから急速に発展した。文化年間には5種、文政年間には12種、明治時代には190種以上の歯磨が発売されたという。
    明治10年東京に波多海蔵により花王散が発売され、大阪に香雲散、自由散が出た。21年に福原衛生歯磨石鹸(資生堂前身)ができたが、これが煉歯磨の最初といわれている。
    24年レート本舗からダイヤモンド歯磨、26年花王石鹸本舗から鹿印歯磨、オリヂナル本舗から象印歯磨、29年に現在のライオン歯磨、39年に近源商店からデンワ歯磨、40年に伊東胡蝶園から御園歯磨、41年に安藤井筒堂からエレハント歯磨、43年にクラブ歯磨が発売された。

    (岡本清纓)新口腔衛生学より

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  66. 歯磨き粉の成分を教えて下さい
  67. 基本成分として研磨剤、湿潤剤、発泡剤、粘結剤、香味剤、着色剤、保存料。薬効成分としてフッ化物、抗炎症剤、殺菌剤、酵素などが配合されています。

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  68. 特に歯と歯の間を清潔にしなければいけないと指導されました。その理由は?
  69. 歯と歯の間の歯肉は普通の歯肉の上皮よりも角化しておらず又厚さも薄いため抵抗力が弱く炎症を起こしやすいのです。さらに清掃用具が届きにくく細菌などの病因物質が停滞しやすく、また上皮下の結合組織に歯肉繊維がなくあまり密ではありません。炎症が広がりやすいので特に清潔に保ってほしいのです。プラークがたまっていると当然虫歯の原因にもなります。

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  70. 歯と歯の間はどのようににきれいにしますか?
  71. デンタルフロスや歯間ブラシを用いて,歯ブラシで除去しにくい隣接面付近に付着しているプラーク除去します。デンタルフロスで歯を掃除するときは穏やかにフロスを挿入し、決して歯肉に強く当たらないようにして下さい。 両方の歯の側面に向かって穏やかに上下にフロスをこすってください。 最後の歯の奥側も掃除することを忘れずにしてください。歯間ブラシを使うときも穏やかに挿入して前後に動かしましょう。回転させると歯肉を傷つけることがあります。ブリッジの隙間、親知らずの裏側など歯ブラシの届きにくい所の清掃に適しています。

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  72. 爪楊枝を使ってもいいですか?
  73. 歯肉を傷つけるおそれがありますので爪楊枝は使わないようにして下さい。歯と歯の間に詰まった食物はデンタルフロス、歯間ブラシ、歯ブラシでとるようにしましょう。エチケットの面からみても爪楊枝は奨められません。

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  74. 歯ブラシの方法が不適当ならばどんな障害が起こりますか?
  75. 歯ブラシによる弊害 として歯の付け根がすり減ってしまうくさび状欠損を作ってしまったり、歯肉の擦過傷を引き起こしたりします。大きなストロークで過大な力を掛けたのが原因です。また歯ブラシの毛先が感染源となりうるので消毒に留意したほうがいいでしょう。

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  76. どれぐらいの間隔で歯ブラシを換えるべきですか?
  77. ブラシの毛が広がったか、あるいはすり減ったなら、3~4カ月ごとに、あるいはより早く新しい歯ブラシに変えて下さい。 子供たちのは乱暴に歯ブラシをあつかいますのでもう少し早く変える必要があるかもしれません。

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  78. キシリトールとは?
  79. 砂糖の代替甘味料の1つです。天然の糖アルコールで多くの野菜、果物にも含まれています
    。 野菜や果物にも含まれているキシリトールを直接抽出する事は量的にもコスト的にも困難の為、白樺やトウモロコシなどに含まれるキシランを加水分解して作ります。そのため天然甘味料と呼ばず、天然素材甘味料と呼ばれています。

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  80. キシリトールの効果的な摂取方法は?
  81. 食後に取ると効果的です。ガムなどの物は食後に1粒づつ、毎食後に。 味がなくなってからも、咬み続けると唾液も出てより効果があがります。

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  82. キシリトールの効用は?
    • 口の中の細菌によって全く酸を作らない
    • ミュータンス菌の増殖を防ぐ
    • 歯垢(プラーク)の量と粘着性が減少
    • キシリトールを長期接種するとキシリトールに抵抗性を持つミュータンス菌が増えるがこれは粘着性が低いため歯垢の中にこれが多く存在するということは歯垢の病原性が低下させることになる
    • 唾液の分泌促進
    • 口腔内における塩基性等価物の産生促進
    • カルシウムとの複合体形成
    • 唾液蛋白質の水和層との相互作用

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  83. キシリトールがう蝕を抑制するメカニズムは?
    • 除去が容易な歯垢が形成される
    • その結果、歯垢が減る
    • ミュータンスが減る(できる酸が減る)
    • アルカリ性の歯垢ができ歯の成分であるハイドロオキシアパタイトが安定する。
    • 歯垢の中のカルシウム量の増加し再石灰化が起こりやすくなる。

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  84. キシリトールはどんな物に応用されていますか?
    • ガム
    • キャンディ
    • タブレット
    • 歯磨剤(歯磨き粉)

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  85. キシリトールさえ使用すれば虫歯を防げるのですか?
  86. 従来の虫歯予防法に取って代わる物ではありません。ブラッシング、フッ素応用、奥歯の溝うめと併用して効果が上がります。

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  87. キシリトール使用の注意点は?
  88. 一度に大量に取ると人によってはおなかが緩くなったりします。

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  89. フィッシャーシーラントとはどのようなものですか?
  90. 虫歯になりやすい奥歯の溝の部分を接着性レジンあるいは接着性セメントで埋め、虫歯予防ないし初期虫歯の進行を抑制するために行うものです。定期的に欠けているところがないかを検査してもらって下さい。透明の物から白ピンクの物等様々な種類があります。

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